けやき便り

牛乳と痛風

高尿酸血症は尿酸降下薬での治療が一般的になりましたが、やはり生活習慣病の改善も必要です。生活習慣を改善するためには、

栄養バランスのとれた食事、適度な運動、規則正しい生活が基本になっています。今回は、その中でも食事に関係する『牛乳と痛風の関係』について、お話したいと思います。

痛風発作の予防の基本は、生活習慣の見直しです。なかでも、食事指導が肝心です。尿酸値が上がる原因となるプリン体は、食品から摂取されます。そのため、痛風発作を予防するにはプリン体さえ摂取しなければOKと思うかもしれません。それも大切ですが、肥満の解消、アルコール摂取の制限、果糖制限、適度な水分摂取など、トータルでみていく必要があります。

尿酸の元となるプリン体は、食べ物から摂取されるだけでなく、実は、体内からも作られるため、食事からのプリン体摂取を気を付けるだけでなく、体内で作られる尿酸を対外へ排泄することも大変重要です。高尿酸血症患者の多くは、尿酸の排泄が低下しているといわれています。

●尿酸を排泄しやすくする食べ物や飲み物はあるのでしょうか?

米国の調査で、プリン体を多く含む肉類、魚介類などと、プリン体が含まれない牛乳やヨーグルトなどの乳製品の摂取量を分類して痛風発作リスクを検討した結果、プリン体を多く含む食品の摂取が高いグループが痛風発作の発症リスクが高いということがわかりました。乳製品の摂取量が増えるにつれて、痛風発作発症リスクは低下しています。乳製品が痛風発作を抑制するのは、乳製品に含まれるカゼインが胃腸で分解されアラニンに変わり、アラニンによる尿酸排泄促進作用により、血中の尿酸値を下げると考えられています。

●乳製品をどれだけ摂取すればよいのでしょうか?

牛乳でいえば、コップ一杯程度とされています。牛乳は摂りすぎると、乳脂肪の摂りすぎになる事もありますし、肥満が気になる方は、低脂肪牛乳や、無脂肪牛乳でもよいそうです。

ヨーグルトもおすすめです。ただし、尿酸値改善のため、乳製品を摂っていればよいということでもなりので、そこは誤解を招くことのないようにしましょう。日頃の運動、食事、トータルでの生活改善を行い、尿酸値を下げていく事が大切です。

 

参考文献 「TOPICS13号」より「監修」両国東口クリニック理事長 大山博司先生

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